桜花賞回顧*

ラップタイムなどを用いた分析はVIP組長というプロの方に期待するとして、ここではなるべく血統面から回顧を行なっていきたい。
桜花賞の明暗を分けたのは半マイル通過47.8、1000m通過59.8という超スローペース。ここまでのスローペースになってしまってはウオッカには分が悪い。純粋な瞬発力勝負ならタキオン×ノーザンテーストダイワスカーレットが優位。サンデー×ノーザンテーストの血統はデュランダルアドマイヤマックスなどの短距離の瞬発力勝負に強い。一方ウオッカタニノギムレット×ルション(ネバーベント)というどちらかといえば中距離向きの血統。この馬自身の最速の上がりはチューリップ賞の33.5だが、おそらくこれ以上早い上がりは使えないのであろう。4コーナーでダイワスカーレットの後ろにいた時点で勝負はついていた。最後の直線でウオッカは力尽きてよれている。しかしながら、世間で言われているほど悲観することもないような気がする。このレースは超スローの異質なレースであり、単純な瞬発力しか求められなかったレース。今後オープンクラスのレースでここまでスローになることもないであろう。まあ、ヘヴンリーロマンスが勝った天皇賞など特殊な例もあるが…。ダイワスカーレットは距離が伸びてよさそうなイメージもあるが、このレースを見る限りマイルまでの馬である可能性が高い。もちろん、オークスはスローの瞬発力勝負になりスタミナが求められないことも多いが、流れが厳しくなったときは脆いであろう。これには異論も多いであろうが、ノーザンテーストはスタミナがまったくない瞬発力血統だと考えている。ノーザンテーストが日本の血統をダメにしたという血統評論家がいたような気がするが、その通りだと思う。そのおかげでダイワメジャーにはひどい目にあっているが、あの馬は例外として捉えたほうが良いだろう。2番人気で7着に負け、ここで本命に押したアストンマーチャンはイレ込みがひどかったのが敗因だろうが、力を出せる状態でもこのスローペースでは負けていたはず。桜花賞を予想した時点でアストンマーチャンが逃げて厳しいペースにするしかウオッカに勝つ方法はないと考え、アストン→ウオッカ→ダイワの順の評価にしたが、全く逆の流れになってしまった。アストンマーチャンもあの競馬で3着あたりを確保したならまだ理解はできるが、7着に沈むなら押さえずに行かせてしまえばよかったのではないかと思う。結果としてスローペースの盛り上がりに欠ける競馬になってしまった。オークスは例年通りのスローならダイワスカーレットで当確であろう。もう少しペースが速くなればローブデコルテ、さらに厳しい流れになったときの勝ち馬は現時点では見当たらない。